主に
コンクリートを主要材料として使用し、コンクリートの質量を利用しダムの自重で水圧に耐えるのが特徴である。膨大なコンクリート量が必要であり、
アーチ式ダムほどは条件は厳しくないものの
花崗岩・
安山岩等基礎岩盤が堅固な地点でないと建設する事が出来ない。海外では古くから建設されているが、堤高200m以上のダムではあまり多くない。ちなみに世界最大の重力式コンクリートダムはスイスの
グランド・ディクセンスダムで、他には
インドや
中南米に200m級のダムが集積している。現在建設が進められている
中国の
三峡ダムや、総貯水容量世界第二位である
ロシアのブラーツクダムも重力式である。
ダムとしては最も頑丈な型式であり地震・洪水に強い事が利点のため、地震や降水量の多い日本では最も適した型式でもある。近代以降日本で建設されたダムでは最も多く用いられた型式で、重力式ダム建設技術の発展は、そのまま日本の土木技術発展史に該当する。だが、近年は良質な基礎岩盤を有する地点が少なくなったことから、建設実績は減少傾向にある。
1900年(明治34年)、
神戸市水道局が
生田川本川に
布引五本松ダムを建設したのが日本最初の例である。その後
1911年(明治45年・大正元年)に「電気事業法」が施行されるに及んで
福澤桃介・
松永安左ヱ門等と言った名だたる実業家が電力事業に乗り出し、こうした中で帝釈川ダム・大井ダム等の堤高50mを超える本格的大ダムが建設された。さらに、昭和に入ると小牧ダム(
庄川)や塚原ダム(耳川)といった堤高80mを超えるダムも建設され、折からの機械化工法の普及によりその勢いは加速。遂には高さ100mを超えるダムとして
五十里ダム(男鹿川)や
小河内ダム(多摩川)、
水豊ダム(
鴨緑江・現
北朝鮮)といったダムが計画されるようになったが、戦争の激化により水豊ダム以外のほとんどは建設中止を余儀なくされた。