遠心調速機は回転する軸の回りのおもりが遠心力により外に振れることを利用する。蒸気機関の場合であれば、おもりの外への振れがシリンダーへ蒸気を導くバルブを閉じる方向に作用するようにしておく。出力が上がり回転が速くなるとおもりが振れ、バルブを閉じようとし、出力を抑える。出力が下がるとおもりが戻りバルブを開こうとし出力を上げる。この逆方向の制御(負
帰還)の微妙なバランスにより機関の出力を一定に保つ。機関に負荷がある場合でも作用するのでより正しくは出力よりも名前通り速度調整を行うものである。
時計はその性質上エンジンなどより精密な速度制御が必要である。機械式時計の場合の調速機として古くから使われてきたものは
振子である。その揺れの等時性を利用して時計の速度調整を行う。振子の動きをおもりとバネの振動に置き換えたものも発明された。バネは通常ひげゼンマイといわれる渦巻き状、おもりは車輪状のものでテンプと呼ばれ、左右に回転する振動を行う。これは小型化が可能で振子のような設置方向の制約もないため、懐中時計や腕時計を実現できるようになった。