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「セミオートマチックトランスミッション」||クルマmobile.com (05/23update)

セミオートマチックトランスミッション wikipedia|無料辞書

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セミオートマチックトランスミッション とは、自動車の変速方式の分類の一つであり、本来は、手動変速機におけるクラッチ操作を自動化したものを指す。
クラッチペダルの無いシーケンシャル・トランスミッションも、広い意味では、セミオートマチックであると言える。
フォルクスワーゲングループのDSGや、三菱自動車のツインクラッチSST、日産自動車のデュアルクラッチトランスミッションも「セミAT」や「2ペダルMT」と表記されることが多いが、分類上はオートマチックトランスミッションである。
オートマチックトランスミッション(無段変速機(CVT)を含む)の変速比を、手動で随時選択できるようにしたものを「セミオートマチックトランスミッション」と呼ぶケースもあるが、根元の技術上では本来の意味と異なる用法である。これは一般に「MTモード付きAT」や「スポーツAT」と呼ばれる。

◆ フォード・モデルTの2段変速機
1908年から製造されたフォード社の大衆車「モデルT」(いわゆる「T型フォード」)は、ペダル作動の2段遊星歯車変速機を搭載しており、摩擦クラッチの作動は半自動式で、変速用のシフトレバーはなかった。
ハンドブレーキを掛けている間は、クラッチが切断されている。チェンジペダルを踏み付けたまま、ハンドブレーキをゆっくりと緩めることで発進できる。アクセルペダルはなく、ステアリングホイールを握ったまま操作できる、手動式スロットルレバーが付いている。
チェンジペダルを踏んでいる間はローギア、足を離すとハイギアで、後進の際には停止中に別のバックギア用ペダルを踏むだけである(最高速度は60km/hそこそこなので、2速式でも不都合はなかった。急勾配は超低速のバックギアを代用し後進してクリアせよ、という合理的(?)な仕様)。
当時としては極めて運転の容易な変速システムであり、日本では大正時代の一時期、フォード・モデルT専用の免許が存在したほどである(のちのAT限定免許の先駆であろう)。このイージー・ドライブな変速システムは、モデルTが世界的に普及した一因であると共に、のちにアメリカにおいて自動変速機が普及する素地を作ったとも言われている。

◆ プリセレクタ・ギアボックス
フォード・モデルTの変速方式は3段以上の多段化に適さないため、高速化・高出力化を進める競合他社の追随するところとはならなかった(モデルTの後継形として1927年に登場したフォード・モデルAも、通常のマニュアル3速になっている)。
しかし、変速を容易化する見地からモデルTの手法を更に発展させた手法が1920年代に出現する。プリセレクタ・ギアボックス preselector gearbox である。
これは、半自動式クラッチと遊星歯車変速機を組み合わせた半自動変速システムである。プリセレクタ・ギアボックス搭載車は、フットペダルに、通常のクラッチペダルの代わりにチェンジペダルを装備し、ステアリングコラムかもしくはダッシュボードに、小型のシフトレバーが付いている。段数は4段程度が普通だった。
発進時にはまずシフトレバーを1速に入れる。チェンジペダルを一踏みして足を離すと1速につながり、発進できる。半クラッチの必要はないが、アクセルの適度な調節は必要である。2速以上へのシフトアップ、またシフトダウンも同様の操作で行われる。停止時にはブレーキを踏めば、自動的にクラッチが切れる。慣れれば相当迅速なシフトチェンジができる。変速に先立って変速段を選択しておくことから「プリセレクタ」の名称が生まれた。フランスのコタル(Cotal)式や、イギリスのウィルソン(Wilson)式があり、概して信頼性の高いシステムであったと言われる。
プリセレクタの半自動クラッチには、遠心式、電磁式、流体継手など各種の方式が用いられたが、特に流体継手は、ほかのクラッチ方式よりも滑り現象によって「半クラッチ」を行いやすいため、この方式の主流となる(いわゆるクリープ現象への着目)。
最初の採用例は1928年にイギリスのヴィッカーズ・アームストロング社が製造した大型バスであった。イギリスとフランスで多く用いられ、特に1930年代のイギリスでは、高級車・中級車で広く使われた。
レーシングカーの分野でも、イギリスのレイモンド・メイズがライレーをベースに開発した小型レーサー「ERA」がプリセレクタを搭載し、1930年代後半の小型車レースで優れた成績を収めている。またプジョー1937年にスポーツカー「402ダールマット・スポール」にコタル式プリセレクタを搭載、ル・マン耐久レースで好成績を収めた。
第二次世界大戦後に至っても、ディムラー、ランチェスターやドライエなどがまだ採用していたが、1950年代末期には自動変速機の普及によって衰退している。
プリセレクタは既に廃れてしまった方式だが、流体継手の優位性と、遠隔操作の多段式遊星歯車変速機の技術を確立した点で、のちの自動変速機に連なる重要な存在であると言える。

◆ 自動クラッチ車
1930年代〜1960年代には、マニュアルトランスミッションのクラッチのみを自動式としたモデルが、ヨーロッパで製造された。一般に、ごく廉価な大衆車ではアクセル操作に頼る遠心クラッチ、小型車〜中級車ではアクセル開度に応じた電圧変化でクラッチを断続する電磁クラッチ、「サキソマット」に代表される、吸気管負圧を利用した真空式、中級以上の車種の一部には、流体継手(流体クラッチ)が用いられた。システムとしてはシンプルなため低コストなことと、シフトレバーとギアボックスが機械的につながっているため、トラブル時の冗長性が高い利点がある。
電磁クラッチ車の中には、シフトレバーに触れることでクラッチを断続するモデルも存在した。日本では、1960年代の日野・コンテッサスバル360スバル・レックス(初代、550cc化後の後期型)、日産・チェリー(2代目)、日産・パルサー(初代)での例がある。しかし、渋滞などで求められる微細な操作に適さないきらいもあり、日本では早くに廃れ、市場のニーズは完全な自動変速機に移行した。だがヨーロッパ車の一部には、21世紀初頭に至ってもこの種の方式が残存している。
商用車でも、クリープ専用の流体継手(フルード・カップリング)を追加したものが、日本製の2tクラスのトラックを中心に数を増やしつつある(いすゞスムーサーEなど)。

◆ モータースポーツでの利用
前述の戦前形競技車は別格として、レーシングカーでの採用例は遙かに下ることになる。

◇ F1
F1においては、1989年にレーシングカーデザイナーのジョン・バーナードフェラーリの「フェラーリ 640(F189)」に初めて実戦投入した。これは、ステアリングホイールの裏側に変速指示用のパドルスイッチを設け、レーシングドライバーがステアリングから手を離すことなく操作ができるようにしたものである。
セミオートマチックトランスミッションは、多くの優位性をもたらした。
・変速時のエンジンの回転数を電子的に制御することにより、ドライバーが競技により集中できるようになり、またオーバーレブによる車の故障を未然に防ぐことができるようになった。

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