ウェスト・テキサス・インターミディエイト wikipedia|無料辞書
ウェスト・テキサス・インターミディエイト(英語:West Texas Intermediate)、略して
WTIは、
アメリカ合衆国南部の
テキサス州を中心に産出される
原油。ウェスト・テキサス・インターメディエイトとも。アメリカ国内で産出される原油の6
%・世界で産出される原油の1〜2%ほどを占める。硫黄分が少ないため、ガソリンや石油製品の製造に適した
軽質油である。
◆ 概要
WTI価格はこの取引価格で決まり、その
価格は世界の
原油価格の中で最も有力な指標である。実際のWTIの一日あたり産出量は100万
バレルに満たないのに対し、WTI先物の一日あたり取引量は100倍の1億バレルを超え、価格の大きな変動(中でも値上がり)は世界
経済に直接大きな影響を及ぼす。このように、取引量に比べ産出量はごくわずかのため、実際には、他の原油をWTIと同質となるようにブレンドしたもので受け渡しが行われる。
ちなみに、
日本の主な輸入原油(中東産)は
アラブ首長国連邦 ドバイ産の原油(こちらは重質油)価格に左右されるが、このドバイ産原油価格自体もWTI価格に大きく左右される。
WTI先物は北海産
ブレント原油、ドバイ産原油といった他の主要な指標に比べ、1バレルあたり数ドル程度、価格が高い。
WTIの先物取引所がニューヨークにあるため、日本ではWTI先物を「ニューヨーク原油先物」「NY原油先物」とも表記する。
◆ WTI価格の変動要因と性質
基本的に、WTIの価格はアメリカ国内の原油現物市場を反映したものである。過去には受け渡し拠点のクシンの地理的条件から原油の流通量に限界があり、価格が偏る事態が発生していたが、
パイプラインの整備や
輸入原油の導入などにより、国際価格を反映できるよう改善した。
ただ、アメリカの価格を大きく反映する傾向は否めず、
暖房用の精製油の消費量を左右する北米の冬の
天候が暖かくなると価格が低下、寒くなると上昇する。また、メキシコ湾岸に
ハリケーンの被害が及ぶと石油精製施設の稼働率が下がるため、価格が上昇する。
もちろん、原油市場全体に一様に見られる、原油生産国の政情不安による価格変動もみられる。また、世界全体での資金の流れの動向にも影響を受けていると見られ、近年は金融市場や株式市場の低迷や不安定化により、WTIをはじめとした原油や
金などの商品市場に資金が流入する傾向にある。
NYMEXでのWTIの取引が始まった当初は、専門の
投資家による取引が多かったが、一般の個人投資家や
ヘッジファンドによる取引、
インターネットを通した取引の割合が増加してきている。通常、取引の多くは
スプレッド取引や
アウトライトといった手法の取り引きが多いが、価格の変動が大きいときには投機的な取引が増える。
2000年代前半から、
中華人民共和国や
インドといった新興国の経済成長に伴い
石油製品の需要が増加し、次第に高騰してきている。また、価格が初めて70ドル/1バレルを突破した2005年ごろから、投機的な取引による暴騰が指摘されるようになった。暴騰の原因としては、価格高騰によって増えた
オイルマネーのさらなる流入、
バイオエタノールとの関連性などが考えられている。
◆ WTI先物価格の推移
NYMEX Light Sweet Crude先物、通常取引終値価格の毎年の推移。価格は全て1
バレル当たりで、基準通貨は
アメリカドル(単位:$/バレル)。日付は
東部標準時(EST、
UTC-5、日本時間-14)に基づく。